大台、サマーコレクション登攀 2005.5.4
ゴールデンウイークならみんな遠出をしていてサマコレは空いているのではないかという予想で、奈良県の大台ケ原へでかけました。最近、ほぼ10年ぶりに生岩を登り始めたので、ちょっと小手試しです。マルチピッチのスポーツクライミングという、ちょっと変わったルートです。
関西では貴重な300 mの岸壁。9ピッチ、最高グレード5.10+ということです。 自宅を4時45分出発、大台駐車場に6時半。えらく便利になってしまったものです。ありがたいことです。公共事業のおかげです。でも税金の無駄遣いはもういいかげんにしてもらいたいものです。 6時50分、駐車場発。7時50分、サマコレ取り付き。 アプローチは特に問題なし。 アプローチのルンゼを下っていると、駐車場をだいぶ前に出て行ったパーティーがなぜか右の斜面にいる。とっとと先を行く。彼らからの落石多し。 サンダーボルトらしきルートを登っているパーティーがいたので、声をかけてそれがサンダーボルトであることを確認。サマコレはそこから50メートルほど左にあるはず。 取り付きらしき場所に到着すると先ほど下ってきたパーティーも到着。彼らは駐車場からすでにハーネスとかを付けていて、今にも登り始められそうだけど、後に行くとちょっといやなことになりそうな予感がしたので、休憩もそこそこに1ピッチめ、5.5というかIII級を、二人でノーザイルで上がった。これが正解だった。スタートは、8時5分。 岩場全景。サマコレは、右の陰になった壁を2-5ピッチの4ピッチ登り、ずっと上の木の生えたバンドをトラバースして左の壁へ。それからフェースを登って最後左のリッジです。 2ピッチめが結構悪いという評判。確かに出だしにしてはちょっと嫌なバランスクライミングではあるものの、まあ、10bぐらいかなという感じです。ホールドもスタンスもたくさんあります。ボルトは、ここはクライミングジムかと思うほどあります。40 mほどでボルトが16個! 3ピッチめは10aぐらいのわりと気楽なフェース。途中、とても簡単なランアウトがあるのですが、そんなところにまで5 mに1本はポルトが打たれている。ぼちぼち高度感がでてきます。 4ピッチめが核心と言われているピッチです。少し被ったフェースですが、ムーブは明らかで(といってもここでは明かしませんが)、どちらかと言うと2ピッチめのほうが悩んで時間を使ったかもしれない。 写真のクライマーのいるあたりが、核心です。 5ピッチめは、なんでもないフェースを登ると、立木のある横断バンドに出ます。腰をおろせる場所だし、下からも登ってこないので、しばしここで休憩。 S野さんが作ったリアルコンスタントというルートはこの壁に走るクラックをつないだもの。すごいルートです。 6ピッチめは、横断バンドに入ってすぐの立木から3メートルほど上にあるボルトから、左へトラバース。どうということはないけど、なんとなく怖い。 7ピッチめからがこのルートのおいしいところとされている。フェースを登って左へハンドトラバース。 このハンドトラバースは、これほどのガバはないというほどのガバで、おまけに足下は200 mの空間。これは気持ちいい。左上に映っているのがハンドトラバースのホールドです。ジャミングもばっちり決まる。 7ピッチめの終了点で下を見て驚き。確か3ピッチめまですぐ後ろにいた後続パーティーの姿が見えないなと思っていたら、なんとまだ4ピッチめの終了点にいる。どうも核心の4ピッチめを超えるのに1時間半以上かかっていたみたい。スタートで先に行って良かった。 それにしても、核心は10bかcぐらいだと思うけど、それくらいさっさと超えれる自信が無かったらマルチピッチのルートは来るべきではない。彼らの後ろを登ってたパーティーは、その下でずっと待たされていた。登れない場合は早くあきらめて先を譲るべきでしょう。 8ピッチめは、空間に飛び出たリッジ。このピッチも気持ちいいのだが、だんだん疲れてきた。よっこらしょ、よっっこらしょと登る。5.9ではない。IV級かな。 最終の9ピッチめは、出だしからなんでこっちなん?というところにボルトがあって、でも、いやー気持ちいい。足下に見えるのは300 m下の谷間。おまけに最後の最後にちょっとしたハング。ガバだからどうってことはないけど、ちょっと疲れてきた身体にはこたえる。でも、足もどこにでもおけるし、どうということもない。 セカンドの確保のロープが重い。 登攀終了、12時8分。 終了点からのシオカラ谷。 このルートは、本チャンでもないマルチピッチという、変な感じのルートですが、登って楽しいということにつきるかと思います。ちょっと多すぎるかなと思えるボルトの数はともかく、やはり、ここにこのルートを設定してくださった開拓者には拍手です。そして全ピッチ、リードしてオンサイトした自分にもちょっと拍手。ああしんど。
by bkhkmgsk
| 2005-05-04 20:53
| クライミング
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